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なんだか無性に・・・ 最近ぐっと気温が下がってきた。 急に秋らしくなってきたけど、時計の針は加速度を増したかのように 動き出し、あっという間に冬の入り口へたどり着く勢いだ。 今年ももう終わってしまうんだなぁとしみじみ感じたりしてしまう。 この時期になると、肉まんがなぜか目についてくる。 寒い夜にほっかほっかの肉まん。 誰もがホッとするんじゃないかなぁ。 でも僕の場合、なぜだか寂しくなってしまう。 なぜなんだろう? 昔は塾の帰り道とかでテクテク長い道のりを、肉まんをほおばりながら 帰ったそんな記憶がそう感じさせるのかなぁ? すごくさびしくなるわけではないのよ。 なにか、こうわびしさみたいな?なんていったらいいんだろう、はかなさ? そんな感情が湧き上がってくるのだ。 変かなぁ、俺。 肉まん自体にではなく、それに付随する要素が僕の心の奥を 微妙につつくんだろうか・・・ 肉まんといえば、正確にはアンマンなのだが、忘れられない思い出がある。 僕がまだ小学生の頃、友達が家に遊びに来ていた時の話。 2階の僕の部屋で(弟と兼用ではあるのだけど)友達と なんだか忘れちゃったけど、楽しく遊んでいると 階段を誰かが上がってくる足音が聞こえてきた。 そのたどたどしい足音は、まだ幼稚園に行ったばかりの弟のものであり 「なんだよ」と少々うんざりしながらも上がってくるのを待っていた。 せっかく友達が来てるのに、相手にしてられるかって感じで。 すると突然「ダダダダー」という大きな音が家中に響きわたった。 大きな泣き声がその後に続く。 「あっ、落ちた。」 すぐに階段のほうに走りより上からのぞいたその瞬間 階段のあちらこちらに黒い物体が目に飛び込んできた。 「何だ?これ?」 そんなことよりも心配なのは弟だ。 階段を少し降りて下を覗き込むと、お母さんに抱かれるようにして 泣いている弟の姿が見えた。 泣きじゃくる弟の手には、なにやら白いものがしっかり握られている。 しかも両手いっぱいに。 アンマンだ。確実に。 あの黒い物体は、大好物の中村屋のアンマンの餡だったのだ。 お母さんに、お友達とおにいちゃんにアンマンもって行ってあげてとでも 頼まれたのだろう。 自分も一緒に食べようとニコニコであがってきていたのに違いない。 両手にアンマンを持って。 気がせいて落ちちゃったんだろうなぁ。 かわいそうに思って、「大丈夫か?痛いか?」と聞いたら 泣きじゃくりながら弟は言った。 「うわーん、アンマンが~!僕のアンマンが~!」 さすが食い意地だけは一人前、いやそれ以上だ。 アンマンが食べられないショックの方がよっぽど痛いのだろう。 どおりで落ちてもアンマンだけは放してないわけだ。 あきれて僕も母も友達も階段で大笑いだった。 それを見て弟は余計に泣きじゃっくった。 なぜだろう、今でも階段にこびりついた餡の光景が鮮明に目にやきついている。 懐かしい思い出とともに。 なんか、不思議でもあり、楽しい気持ちにもさせてくれる思い出なのです。
by jin-jiro
| 2005-10-31 11:47
| DIARY
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